改ざん・偽造防止用紙
Blog ■偽造防止用紙|種類別の特徴比較、コスト、選び方など詳しく解説
偽造防止用紙(改ざん防止用紙)、活用するメリットや仕組みの種類と作り方、費用等について解説
「偽造防止用紙」は偽造や改ざんといった犯罪に対抗すべく開発された特殊用紙で、重要な機密文書などに使用されています。しかし、偽造防止用紙の種類や用途、費用感などはあまり知られていません。そこで今回は、偽造防止用紙の基本情報からメリットや費用面などを紹介します。
偽造防止用紙とは
偽造防止用紙は、文書の改ざんや複製を防ぐ特殊な用紙です。通常の紙と異なり、特殊な加工や技術が施されており、コピーや偽造は非常に困難です。たとえば、透かしや隠し文字、特殊インクなどが使用されています。偽造防止用紙の普及は重要書類の信頼性と安全性を大幅に向上させ、情報セキュリティの強化が期待できます。
偽造防止用紙のメリット
偽造防止用紙は私たちの日常生活だけでなく、さまざまなシーンで活用されています。以下では、偽造防止用紙の主要なメリットを3つ紹介します。
書類の信頼性が向上する
偽造防止用紙は、書類の信頼性を飛躍的にアップさせます。理由としては、特殊な加工により複製や改ざんが困難になるためです。例をあげると、契約書や証明書などに使用することで文書の真正性が保証され、ビジネスの信頼関係が強化されます。
法的なトラブルを防止する
偽造防止用紙は、法的トラブルの防止に一役買っています。文書の改ざんや複製が難しいため、法的紛争のリスクが大幅に減少します。
セキュリティ性能が高い
偽造防止用紙は、高度なセキュリティ性能を誇ります。特殊インクや隠し文字など、複数の偽造防止技術が組み込まれており、情報漏洩リスクが低減するためです。たとえば、機密文書の保護に活用することで、企業の重要情報が外部に漏洩するのを防止できます。
偽造防止用紙のデメリット
偽造防止用紙には多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。以下では、偽造防止用紙の主要なデメリットを2つ紹介します。
印刷会社へ依頼する必要がある
偽造防止用紙の印刷は、特殊な技術や設備が必要なため自社での印刷はできません。そのため、印刷のたびに外部へ依頼するコストがかかる点は理解しておきましょう。
一般的な印刷物に比べて高い
偽造防止用紙は特殊な材料や技術が必要なため、コストが上昇する恐れがあります。透かしや特殊インクの使用により、一般的な印刷の2〜3倍のコストがかかるかもしれません。
偽造防止用紙 仕組みは3種類
偽造防止用紙に用いられている「特別な技術」は、文書の安全性を飛躍的に高め、偽造や改ざんを困難にしています。それぞれの仕組みがどのような効果をもたらすのか、詳しく見ていきましょう。
1.特殊なインクを使用しているもの(透かし・示温)
特殊インクは透かしや示温インクが用いられ、目視できなかったり、温度で色が消失します。
2.コピーすると浮かぶ文字とつぶれる文字がある
コピー時に隠された文字が浮き上がる仕組みです。たとえば、住民票や自動車の車検証をプリンターでコピーすると「複写・COPY」などの文字が現れます。また極小文字(マイクロ文字)はつぶれます。
3.グラデーションのかなり薄い部分が消える
最後は、微妙なグラデーションを利用する仕組みです。コピー時に薄い部分が消失し、デザインが変化します。例をあげると、背景の模様が部分的に消える。
偽造防止用紙 作り方(オーダー品)
偽造防止用紙の作成は、セキュリティと信頼性を高めるうえで重要な工程です。ここでは、偽造防止用紙を作る6つの手順を紹介します。
【手順1】分野から選ぶ
偽造防止用紙は使用分野によって大きく異なり、官公庁、自治体、大学などの教育機関、民間企業など、各分野に適した用紙選びが求められます。
【手順2】技法を選ぶ
民間企業では隠し文字やマイクロ文字、透かしが一般的に用いられていますが、官公庁、自治体で数量が多い場合、グラデーションや示温インキを追加し、セキュリティーを高めています。しかし、コスト重視なら隠し文字のみでも効果的です。
【手順3】デザインの選定をする
デザインは見た目だけでなく、機能性も重要です。一般企業では、英語表記の地紋を幾何学的に斜めに配置し、その中に「複写」や「COPY」を埋め込むのが主流です。あとマイクロ文字を四角に入れたり、まん中にすかし(会社のマーク)を配置している。
【手順4】用紙の選定をする
用紙はA4サイズが主流で、プリンターとの相性や保管のしやすさが重要視されます。なお、厚みはコピー用紙か上質70Kが一般的です。他にサイズをB4とかA3に大きくして厚紙を必要とする分野があります。
【手順5】刷色の選定をする
主に隠し文字の場合
刷色は黒や濃いグレーなどが推奨され、これらの色は複写機で隠し文字を浮かび上がらせやすい特徴を持っています。また、他の色を使う場合は、くすんだ色調がセキュリティ面で有効です。
【手順6】数量の選定をする
予算内で必要な数量を発注することで、コストを抑えられます。
偽造防止用紙の用途
偽造防止用紙は、セキュリティが求められる場面で広く活用されており、その用途は多岐にわたります。以下では、代表的な6つの分野における偽造防止用紙の活用例を紹介します。
自治体
自治体では、偽造防止用紙が住民票や印鑑証明書等に使用されています。たとえば、すかしや隠し文字が施され、コピー時に「複写」の文字が浮かび上がります。
自治体 A4 改ざん・偽造防止用紙サンプル
大学
大学では、卒業証書や成績証明書等に偽造防止用紙が採用されています。学歴詐称を防ぐため、高度な偽造防止技術が求められるためです。具体的には隠し文字や極小文字が使用され、簡単には複製ができません。
製造業
製造業では、製品の品質保証書や取扱説明書に特殊な用紙が使用されます。この業界では、特殊な用紙や紫外線で反応するインクが使われる場合があります。
自動車小売業(新車・中古)
自動車小売業では、委任状に偽造防止用紙が使用されています。文書内には隠し文字や特殊インクが使用され、簡単にコピーできない仕組みです。
建築業(指定確認検査機関)
建築業では、検査済証に偽造防止用紙が使用されます。建物の安全性を証明する重要書類であるため、特殊な用紙や隠し文字が用いられ偽造や改ざんを防いでいます。
チケット・クーポン
チケットやクーポンにも、偽造防止用紙が活用されています。隠し文字や特殊インクの使用で簡単には複製できないため、イベントや販促の信頼性が高まっています。
偽造防止用紙印刷の費用
偽造防止用紙の印刷費用は、偽造防止の種類や発注枚数により大きく変動します。一般的に A4.上質70K 1,000枚(隠し文字のみ)で2〜3万円ぐらい、次に1,000枚(隠し文字+透かし)で4〜5万円程度が相場です。また、用紙サイズや特殊加工の有無でも価格は変わるため、予算と必要性を考慮した選択が重要です。
偽造防止用紙の注意点
偽造防止用紙は、適切な環境での保管が不可欠です。直射日光や高温多湿の場所では、特殊インクや加工が劣化する恐れがあるため、窓際や湿気の多い倉庫での保管は避けるべきです。また、通常印刷とは異なるため、デザインや配色、サイズが制限される可能性があります。
まとめ
今回は、偽造防止用紙の概要からメリット、種類、費用、注意点まで幅広く解説しました。偽造防止用紙は重要文書の信頼性を高め、セキュリティを強化する有効な手段です。適切な選択と使用により、ビジネスや公的機関での文書管理の質を大幅に向上できます。
現在、偽造防止用紙の導入を検討中の方はコストと効果のバランスを考慮しつつ、積極的な活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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<偽造防止用紙とは>
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〔自治体〕改ざん・偽造防止用紙(コピー防止用紙)セキュリティレベル1~レベル4
A4 上質70k(隠し文字)+マイクロ文字 ・・・セキュリティレベル1
A4 上質70k(隠し文字)+マイクロ文字+すかし・・・セキュリティレベル2
すかしが消える。
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※真ん中の分は原本をライトテーブルの上に載せて撮影したものです。
A4 上質70k(隠し文字)+マイクロ文字+すかし+地紋・グラデーション(OCRインキ)
・・・セキュリティレベル3
A4 上質70k(隠し文字)+マイクロ文字+すかし+地紋・グラデーション+示温インキ
・・・セキュリティレベル4
<大学等から民間まで幅広く偽造防止が加工された印刷物が使われています。>
<大学等> 民間(検査機関・調査機関・車ディーラー・輸出企業・司法書士・土地家屋調査士等) ・成績証明書 ・許可証 ・領収書 ・名簿(個人情報) ・卒業証明書 ・会員証 ・注文書 ・処方せん ・在学証明書 ・社員証 ・提案書 ・マニュアル ・健康診断証明書 ・入館証 ・企画書 ・取扱説明書 ・商品券 ・契約書 ・楽譜用紙 ・金券 ・重要事項説明書 ・履歴書 ・クーポン ・見積書 ・設計図 ・回数券
(乗り物・スポーツクラブ・エステ)・請求書 ・品質保証書 ・割引券 ・機密文書 ・委任状 ・入場券 ・社外秘文書 ・検査済証 ・規定、規約書 ・確認済証 ※サンプルご希望の場合はお問合せ下さい。
※サイズ・紙質・色数・数量により別途お見積り致します。
改ざん・偽造防止用紙〔大学等・民間〕
※契約書や保証書、重要な書類,機密書類を印刷する上で偽造対策が必要な用紙
A4 隠し文字(ブルー)模様タイプ(コピーすると複写とかCOPYの文字が浮き出る)
A4 隠し文字(グレー)英文字タイプ (コピーすると複写・複製・無効・COPYの文字が浮き出る)